☆小説第3弾☆

ども!
が嫌いなRitoRukageです!
何で嫌いかって?
髪の毛がボサボサになるからですよぉ…


今日は、小説第3弾を出しちゃいます!
この小説は今までのとは、一味違います!
この小説は『きらら携帯小説大賞』にて
最終選考に残った作品です☆ミ
夏の終わりをイメージして書いた作品なので、
軽く時期はずれですぅ〜〜〜
8月〆に出した小説なので、許してくださいr(^。^;)
9月〆ももう選考が終わったので、随時出していきますねぇ〜〜〜







    タイトル:祖父の空

夏が終わる頃の空を見ると、僕は毎年思い出す光景がある。それは子供の頃、あれはまだ小学生の時。僕の両親は仕事が忙しく、夏休みの間祖父の家に行かされるのだった。祖父の家は嫌いではなかったが、夏休みが終わる前日まで僕は自分の家に帰ることが出来なかったので、学校の友達と遊ぶ事が出来ず、それだけが少し不満だった。
祖父の家の周りは僕が住んでいる東京と違って、田畑が広がり緑色をしていた。隣の家は田んぼの向こう側でとても遠く、東京ではありえない光景だった。祖母に「お隣さん家にこれ持っていって」と言われ家を出てもすぐには帰ってこられない。また、帰りは走れても行きは走れなかった。なぜならたいていの場合『これ』というのは『卵』のことだったからだ。祖父の家は養鶏場だったので、お届け物のほとんどがこの、割れ物だった。たまに祖父が殺した食用の鶏もあったが、それはほとんど祖母が持って行ってくれた。昔僕は食肉と化した鶏を見て、気絶したことがあるからだ。そして、東京のようにすぐ帰れない理由がもう1つある。それはお隣さん家に行くと必ず「ちょっと待ってて」と引き止められ、おばさんは家の中から野菜だの何だのたくさん袋に詰めて僕に渡してくれた。とても有難たかったが、都会育ちであまり運動神経のよくない僕にとって、それを持って帰るのはとても酷だった。ふらふらしながら畔道を卵が入っていたボールと袋を持って祖母の待つ家へと帰る。ヘトヘトになっている僕を見て、祖母は笑いながら袋とボールを受

取り、僕の頭を撫でて「おりこうさん、ありがとね。」と言ってくれた。
そして僕が一番覚えている夏の光景。それは縁側に座り、ぼうっと遠くを見つめている祖父の姿。僕は1度そんな祖父に「何見てるの?」と尋ねたことがあった。すると祖父は「空だよ。」と言い、僕の頭の上に手をのせた。そして祖父の真似をして僕は祖母の晩ごはんのかけ声がかかるまで空を見ていた。
そんな祖父は僕が中学2年の時に病気で亡くなり、祖母も祖父の後を追うようにして亡くなった。祖父と祖母の家は田舎の開発のため、2人が亡くなってから取り壊された。
この東京から見える空と昔見た空。違う気がするけど見ていると祖父の顔を思いだす。同じ空だ、あの頃と同じなのだ。そして100年先もずっとずっと同じなのだ。僕はそう思うと空を見ながら歩き出した。

                                        (了)