☆小説☆

こんにちはぁ!
今日はちょっと小説をアップしますねぇ☆
小学館から出版されてる『きらら』という雑誌の
携帯小説メール大賞』にだしたものですr(^。^;)
選考期間が終わったので、載せますねぇ!
もしよければ見てください!
月1で出してるので、月1でアップしようかなぁと
思ってますo(^-^)o
もし良かったら読んでください(*^ー゜)b



     

    

   僕の瞳(め)

僕は光を失った。何も見えなくなった。事故で失った。でも、見えなくなって見えるようになった物がたくさんある。

「きれいな花」
僕はその花を摘み採った。黄色のきれいな小さい花。僕はその花を数秒見ると、道端に捨てた。そして1分後にはその花のことなんて忘れた。僕に捨てられた花は、きっと夜には死んだだろう。
でも今の僕には、色を見ることも、摘み採り数秒眺めることもできない。でもその代わり僕は、花を四感で感じる。触って匂いを嗅ぎ、音を聞く。
僕は見えなくなって、花を殺すことがなくなった。

「きれいな空」
僕は水色に少し白の模様がある空を見た。鳥が飛んでいる。親子なのだろうか、友達なのだろうか。3羽で連なって飛んでいる。でも僕はそんな光景も、この時間の早い都会に流されて、忘れてしまう。
でも今は、もう見ることの出来ない青の世界。透き通った色。その代わり僕は、都会に流されず、心で青を感じている。鳥が3羽、もしかしたら4羽かもしれない、2羽かもしれない。でも今の僕はそんなことどうでもいい。鳥が囀り、宇宙から送られてくる光を感じ、風が吹き、そして、暖かさがある。
それだけでいい。

「キミがきれい」
僕はキミのことが好きだ。誰よりもきれいで、笑顔がかわいい。僕はキミがいてくれるだけで幸せさ。僕の目の前にいてくれるキミ。
でも僕にはもうキミが見えない。なによりも寂しい。なによりも悲しい。僕の一番の光が見えなくなった。でもその代わり僕は、新しい光を見つけた。キミの温もり。キミの声。キミの優しさ。僕は見えなくてもキミの仕草や表情がわかる。今まで以上にわかる。
「お茶にしましょう!」
ほら、遠くで僕を待つ声が聞こえる。僕の目が見えなくなって手に入れた一番大きなもの。
『全て』
僕はいろんな物が見えるようになったんだ。
「早く来てくれないと、コーヒーが冷めちゃうわ。」
ほら、席に着いた僕の前で、困っていた顔のキミがほほえんだ。

僕が見えなくなって、見つけた最高の光さ。

                            (了)